「これだけは、村上さんに言っておこう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける330の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?のレビュー
人生は「結果」よりも「過程」を楽しんだ方が充実する
■読み始めたきっかけ
村上春樹の著作は、8割方読破しているぐらい気に入っており、また、
人生に大きく影響を受けています。主人公の生き方や台詞がかっこいいなあ、
なんて思いながら時々読み返しています。
今回は、読者からの様々な質問に本人が真面目に?答えるという異色の作
品です。回答を読みながら、著者の人柄や考え方がにじみ出てきて、親しみが
もてます。
■心に残る言葉
p.32 質問34 なんでマラソンをするの?
回答:僕がこうやって走っているのは、たぶん、「自分と対話をしたいからだ」
と思っています。
→私も、マラソンをしますが、同じようなことを走っていて感じたことがあり
ます。走っているときは、電話もなければメールもない。本もなければ、人か
ら話しかけられることもない(一人の場合)。となると、何をするかといえば、
自分と対話をするしかないです。わざわざ体に負荷をかけているのですから、
それに対して何の価値があるのか、自分の生きる目的は何なのか、これが終わ
ったら何を食べよう?何をしようか?など、色々なことを考えます。
体を動かしながら考えた方が、前向きで新しい視点が生まれることもありま
す。ほとんどの悩みは自分の考え方や自分の行動で何とかするしかありません
。となると、どこかで一人で考えないといけません。走っているときはそんな、
「考える」いい時間だと思っています。
p.123 自分が何をしたいのか分からない
回答:人生で大事なのは「何を得たか」ではなく、「どのように求めたか」と
いうことではないかと、僕は思うのです。
→物事は一般的に「結果」が重要ですが、毎回自分の努力がいい「結果」とし
て、実現するとは限りません。自分の才能や経験、外部環境、運によって結果
は大きく違ってきます。けれども、自分がなりたいと思う「理想」について、
努力をすることの過程に価値を見出せることができれば、人生は有意義なもの
と感じられると思います。
哲学での真理に、真・善・美というものがあります。自分の行動がこれに沿っ
ていれば、最終的な結果が思い通りでなくても、納得ができますし、一般的に
は真理に沿ったもので適切な努力があれば、かなりの理想は実現できるのでは
ないかと思っています。
■どんな人にお勧めか
村上春樹の人柄を知りたい人
暇な人
他人の悩みを聞いてみたい人
村上春樹の著作は、8割方読破しているぐらい気に入っており、また、
人生に大きく影響を受けています。主人公の生き方や台詞がかっこいいなあ、
なんて思いながら時々読み返しています。
今回は、読者からの様々な質問に本人が真面目に?答えるという異色の作
品です。回答を読みながら、著者の人柄や考え方がにじみ出てきて、親しみが
もてます。
■心に残る言葉
p.32 質問34 なんでマラソンをするの?
回答:僕がこうやって走っているのは、たぶん、「自分と対話をしたいからだ」
と思っています。
→私も、マラソンをしますが、同じようなことを走っていて感じたことがあり
ます。走っているときは、電話もなければメールもない。本もなければ、人か
ら話しかけられることもない(一人の場合)。となると、何をするかといえば、
自分と対話をするしかないです。わざわざ体に負荷をかけているのですから、
それに対して何の価値があるのか、自分の生きる目的は何なのか、これが終わ
ったら何を食べよう?何をしようか?など、色々なことを考えます。
体を動かしながら考えた方が、前向きで新しい視点が生まれることもありま
す。ほとんどの悩みは自分の考え方や自分の行動で何とかするしかありません
。となると、どこかで一人で考えないといけません。走っているときはそんな、
「考える」いい時間だと思っています。
p.123 自分が何をしたいのか分からない
回答:人生で大事なのは「何を得たか」ではなく、「どのように求めたか」と
いうことではないかと、僕は思うのです。
→物事は一般的に「結果」が重要ですが、毎回自分の努力がいい「結果」とし
て、実現するとは限りません。自分の才能や経験、外部環境、運によって結果
は大きく違ってきます。けれども、自分がなりたいと思う「理想」について、
努力をすることの過程に価値を見出せることができれば、人生は有意義なもの
と感じられると思います。
哲学での真理に、真・善・美というものがあります。自分の行動がこれに沿っ
ていれば、最終的な結果が思い通りでなくても、納得ができますし、一般的に
は真理に沿ったもので適切な努力があれば、かなりの理想は実現できるのでは
ないかと思っています。
■どんな人にお勧めか
村上春樹の人柄を知りたい人
暇な人
他人の悩みを聞いてみたい人
なぜ人は「これだけは、村上春樹さんに言っておこう」と思うのだろうか?
ウェブ上で繰り広げられた問答を書籍化した、「そうだ、村上さんに聞いてみよう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける282の大疑問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか? の続編的内容。今回はさすが村上春樹とだけあって、海外のファンからも質問が来ていて、それにも答えている。
村上さんに「ぶっつけ」られる質問は、これって大切だよなぁってことだったり、一見どーでもいいようなことだけどよく考えてみるとやっぱり大切だよなぁってことだったり、どう考えてもどう足掻いてもこりゃどーでもいい問題だよな?というものまで、千差万別。
でも、その雑多なところがまたいい。
というか皆、質問者はセンスがいいと思う。さすがハルキストと言うべきか。村上春樹のあの抽象と具象が入り交じって、絶妙なところにポンと着地する文体に、質問者らも少し似ているところがおもしろい。
僕自身熱心な村上ファンでないからいえるのだが、こういう本というのは、おそらく村上春樹であるからなりたつのではないかと思う。例えば、これと同じような内容の『これだけは、江國さんに言っておこう」と世間の人々が江國香織にとりあえずぶっつける330の質問に果たして江國さんはちゃんと答えられるのか?』を書店で見つけても、おっと思わず立ち読みしようとは思わない。
それは文学的に村上春樹の方が優れている、ということは必ずしも意味しない(繰り返すが僕は熱心な春樹のファンではない)。なんとなく、「村上春樹が何かに答える」という形式そのものに吸引力があって、それはファンだろうとファンでなかろうと、吸い寄せられる吸引力なのだ。
このことは、彼のファンでなかろうとアンチでなかろうと、日本の小説読者は誰もが村上春樹に対して、肯定派か否定派かという立場を選び取らなければならない、その特権性が彼には存在するからだろう。その場を(意図的にか、たまたまか)こしらえたことだけでも、彼は文学的に勝ったといえるのではないか。
村上さんに「ぶっつけ」られる質問は、これって大切だよなぁってことだったり、一見どーでもいいようなことだけどよく考えてみるとやっぱり大切だよなぁってことだったり、どう考えてもどう足掻いてもこりゃどーでもいい問題だよな?というものまで、千差万別。
でも、その雑多なところがまたいい。
というか皆、質問者はセンスがいいと思う。さすがハルキストと言うべきか。村上春樹のあの抽象と具象が入り交じって、絶妙なところにポンと着地する文体に、質問者らも少し似ているところがおもしろい。
僕自身熱心な村上ファンでないからいえるのだが、こういう本というのは、おそらく村上春樹であるからなりたつのではないかと思う。例えば、これと同じような内容の『これだけは、江國さんに言っておこう」と世間の人々が江國香織にとりあえずぶっつける330の質問に果たして江國さんはちゃんと答えられるのか?』を書店で見つけても、おっと思わず立ち読みしようとは思わない。
それは文学的に村上春樹の方が優れている、ということは必ずしも意味しない(繰り返すが僕は熱心な春樹のファンではない)。なんとなく、「村上春樹が何かに答える」という形式そのものに吸引力があって、それはファンだろうとファンでなかろうと、吸い寄せられる吸引力なのだ。
このことは、彼のファンでなかろうとアンチでなかろうと、日本の小説読者は誰もが村上春樹に対して、肯定派か否定派かという立場を選び取らなければならない、その特権性が彼には存在するからだろう。その場を(意図的にか、たまたまか)こしらえたことだけでも、彼は文学的に勝ったといえるのではないか。
愛読書です。
重たい話から、どーでもいい話まであります。
全部このシリーズを読んで思ったことは、
本当に様々なことに造詣が深く、インテリジェントで、志の高い方だな。
と改めて、知ることになりました。
落ち込んでる時に、手にとってめくってると、励まされる。そんな一冊です。
あなたのちょっとした疑問・重たい疑問にも答えてくれているかもしれません。
全部このシリーズを読んで思ったことは、
本当に様々なことに造詣が深く、インテリジェントで、志の高い方だな。
と改めて、知ることになりました。
落ち込んでる時に、手にとってめくってると、励まされる。そんな一冊です。
あなたのちょっとした疑問・重たい疑問にも答えてくれているかもしれません。
村上氏の誠実さとユーモアが光る
村上氏が開設していたHPに投稿された質問に、村上氏が回答したものを本の形式に纏めたもの。私も村上氏の"人となり"に興味を持っていたので本書を手に取ったのだが、質問の内容が私の期待と異なっていたので少しガッカリした。
質問は次の2つに大別されるのである。
(1) 村上氏の作品に対する質問、あるいは他の作家論を含む文学論。
(2) 質問者の身辺の瑣末事。
(1)については、作家は作品で全てを語っているので、それ以上の解説は野暮であろう。また、同時代の他の作家の批評ができる筈もない。ただし、村上氏が敬愛していると思われるドストエフスキーとカフカに関する話が聞けたのは収穫。私も両作家のファンなのだ。深遠な文学論こそ私の期待の的だったのだが、こうしたQ&A形式の本では簡素なやり取りにならざるを得ない。これは期待した私の方が悪い。しかし、自作に関する質問を含め、ユーモアを交えた丁寧な回答をする村上氏には感心する。
(2)については、答える必要はないのだが、(1)と同様、韜晦とも言える丁寧な回答をする村上氏の誠実さが際立つ。本当に、どんな質問に対しても親身な回答をするのである。期待とは異なる意味だが、村上氏の"人となり"は充分伝わって来る内容。村上氏の素顔を垣間見たい方には好適の書。
質問は次の2つに大別されるのである。
(1) 村上氏の作品に対する質問、あるいは他の作家論を含む文学論。
(2) 質問者の身辺の瑣末事。
(1)については、作家は作品で全てを語っているので、それ以上の解説は野暮であろう。また、同時代の他の作家の批評ができる筈もない。ただし、村上氏が敬愛していると思われるドストエフスキーとカフカに関する話が聞けたのは収穫。私も両作家のファンなのだ。深遠な文学論こそ私の期待の的だったのだが、こうしたQ&A形式の本では簡素なやり取りにならざるを得ない。これは期待した私の方が悪い。しかし、自作に関する質問を含め、ユーモアを交えた丁寧な回答をする村上氏には感心する。
(2)については、答える必要はないのだが、(1)と同様、韜晦とも言える丁寧な回答をする村上氏の誠実さが際立つ。本当に、どんな質問に対しても親身な回答をするのである。期待とは異なる意味だが、村上氏の"人となり"は充分伝わって来る内容。村上氏の素顔を垣間見たい方には好適の書。

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